こんにちは!整体院導の石川です。
今回は『変形性股関節症』についてお話していこうと思います。
とその前に股関節がどのような関節について簡単に解説いたします。
股関節とは
人体最大の関節であり、骨盤と太もも(大腿骨)で構成される関節で、様々な方向に動くことのできる球関節です。
主に体重を支えたり、立つ・座る・歩くなど様々な動作の中心となる役割があります。
日常生活での基本動作のほぼ全てに関わる非常に大切な関節です。
股関節の痛みが発生しやすい部分ですが約80%が鼠径部に痛みを出します。
※鼠径部は股関節の付け根の部分で『コマネチ』をした時に手が通る所だと思ってください!
痛み方としては、動作に伴って痛みが出たり、体重が加わった時に痛みが出ます。
ところが例外もあります!
≪関連痛≫と言って股関節に痛みの問題があったとしても、鼠径部以外の所に痛みを出すこともあります。
・お尻
・太もも
・膝
・スネ
など股関節が悪いのに約10~70%は上記の部分に痛みが現れることもあります。
そのため、問題が股関節にあるのに膝が痛いから膝に問題がある!など見逃されてしまうことがあります。
では本題の変形性股関節症についてお話していきましょう。
変形性股関節症とは
変形性股関節症は『関節の表面を覆う軟骨が擦り減った状態』です。
レントゲンによる診断での国内の有病率は1.0~4.3%で男性は0~2.0%、女性は2.0%~7.5%と女性の方が多い傾向にあります。
中でも生まれつき股関節を形成する太ももの骨に対して、骨盤の被りが浅い『寛骨臼形成不全』があるものが約90%を占めます。
『寛骨臼形成不全』があると関節に加わる負担が大きくなるため変形しやすくなると言われています。
変形性股関節症には、初期・進行期・末期と3つの段階がありますが、進行期から手術を考慮します。
変形性股関節症で行われる手術は「人工股関節全置換術」というものが良く耳にするかと思います。
この人工関節の耐用年数は10年~15年や20年と言われたりしていますが、現在の人工関節では30年以上の耐久性があると言われているので、より若いうちから手術が可能となっています。
ただし!保存療法を大して行わないで手術するべきではないと考えます。
というのも画像上の変形の度合いと症状は必ずしも一致しないからです。
変形が末期まで進行していても痛みなど症状が大したことのない方もいれば、反対に変形は初期なのに痛み・可動域制限が強いという方もいます。
先ほど股関節の≪関連痛≫について少しお話ししましたが、痛みはあくまで結果であり、痛みのある場所が原因とは限りません。
腰の筋肉が問題で股関節に痛みが出ることもありますし、足首や膝の可動域が悪いせいで股関節に負担が加わり、痛みを出してしまうこともあります。
そのような場合、手術をしても症状が改善しないことも考えられます。
最悪の場合、手術により股関節周囲の筋肉に刺激が加わり、さらに症状が悪化する可能性もあります。
ですので、まずは徹底して整体や体重管理、投薬などの保存療法を徹底して行い、それでも改善しなかったら手術を検討するといった順番の方が良いと思います。
ただ、痛みや日常での不便をそう感じていなくても、「これは手術をした方が良いんじゃないか?」というものもあります。
それは「変形による可動域の減少が著明にみられる場合」です。
この場合、関節の動きが悪いため以下のようなことが考えられます。
・日常生活での動作の異常(股関節を庇った動き)
☟
・一部分の筋肉しか使われないため筋力の低下
☟
・他関節に加わる負荷の増大
☟
・股関節以外の部位に痛み等の症状出現
上記のように最終的に他の部分に悪影響を及ぼしてしまうため、筋肉の固さによる可動域減少ではなく、骨の変形による可動域減少が著明な場合は、仮に痛みが大したことがなくて手術をしてしまった方が今後が楽になります。
ただ、あくまでも実際に手術をするかどうかは、患者さんの考えによるのでそこはドクターと現在の状態と将来的に考えられる不利益をよく話し合って決めていけるといいんじゃないかなと思います。
終わりに
今まで変形性股関節症で施術をさせて頂いた患者さんのお話を聞いていると、意外と「変形性股関節症がどういうものか?」というお話をドクターから伝えられていなかったり、整体に行っても患部しか見てもらえなかったりした方が多い印象です。
今回書いたものにより、変形性股関節症についての理解を深め、少しでも手術するのか保存療法にするのかの判断の一助になれば嬉しいです💡
変形性股関節症の進行度のセルフチェック法はこちら☟
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