- 脚を触られてる感覚がない
- 震えが出る
- 検査をしても異常が見つからない
もしあなたがある日から脚の感覚がなくなった・震えが出る・脚に力が入りにくいといった症状でお悩みで、病院で詳しく検査をしても異常が見つからないのなら、それは『転換性障害』かもしれません。
こちらの記事の前半では≪転換性障害について≫、後半では≪どうすればいいのか?≫について詳しく解説していこうと思います。
少しでもあなたの症状改善のお役に立てれば幸いです。
是非最後までご覧ください。
転換性障害とは

転換性障害といわれても一体どのようなものかイメージしにくいですよね。
転換性障害は、葛藤やストレスといった心理的要因が、身体症状として身体の領域に転換されているという意味でこう呼ばれています。
転換性障害 | メンタルサポート | ながうしクリニック (n-ushicli.com)
表現を変えると、身体には何の問題もないのに、随意運動機能や感覚機能に異常をきたす障害です。
つまり、あなたが病院で異常なしと診断されたその症状は、過剰な精神的ストレスが身体に症状として現れたものかもしれません。
人の身体には自分の意思で動かせる「随意筋」と自分の意思で動かせない「不随意筋」がありますが、転換性障害で異常をきたすのは前者の「随意筋」になります。
随意運動機能に異常が起こると、立てない・歩けない・声が出ないといった症状が現れます。
また感覚に異常が起こると、味やにおいが分からない・耳が聞こえない・痛みを感じないといった症状が現れます。
どんな症状があるのか?

転換性障害は無意識な精神ストレスによって①運動障害②感覚障害③発作症状が引き起こされます。
これらの症状は1つだけではなく、混合して身体に現れることも。
ストレスは常に自覚できるものばかりではありません。
知らず知らずのうちに蓄積されてある時、症状として暴発することもあります。
運動障害
転換性障害の代表的な症状の1つです。
- 手足が動かなくなる
- 身体が部分的に力が入らなくなる
- 声が出なくなる
- 物を飲み込むのが大変になる
このような症状が現れる場合があります。
感覚障害
五感(味覚、嗅覚、触覚、聴覚、視覚)に異常をきたします。
- 目が見えない
- 耳が聞こえない
- 味、においが分からない
- 触ってる、触られてる感覚がない

触覚に異常があって病院で検査しても
問題なしだから整体に行く人もいますね
発作症状
てんかん発作や失神のように手足が震えたり、気を失うことがあります。
その時の状況により発作が起こったり、音や光の刺激で起こることも。
どういう人が発症する?

一般的に10歳から35歳程度の年代に発症しやすく、男性よりも女性の方が多いと考えられています。
また急性的なものでは95%が2週間以内に自然に緩解しますが、症状が半年以上続くものでは緩解率が50%以下になります。
さらに転換性障害は再発が多く、初めて発症してから1年以内に約1/4の割合で再発します。
参考:atGPしごとLABO
精神的ストレス
転換性障害のはっきりとした原因はわかっていませんが、障害の始まりや悪化は精神的ストレスが影響していると考えられています。
また障害の発症や維持については『疾病利得』というものが関係している可能性が高いです。
病気になることで本人が得られるメリット。
長期休業や休業補償、周囲から優しくしてもらえる等
疾病利得について補足
この言葉と意味だけ聞くと、まるで障害に悩んでいるのが『ズルしてる』と言っているように感じますがそうではありません。
仮に利得があったとて『仕事よりも病気の方がまし』と(無意識でも)脳が認識してしまう時点で正常な精神状態ではないと思っています。
あくまで可能性の一つとして今回は、この言葉を挙げました。ご理解のほど宜しくお願い致します。
性格
転換性障害の発症しやすいかは、個人の性格も影響します。
例えば、マジメ・完璧主義的・白黒はっきりつけたいなど…
このような性格・思考パターンの方はストレスを溜め込みやすく、溜め込み過ぎた結果、転換性障害を発症してしまいます。
ではどうすればいいのか?

ここまで転換性障害がどのようなものなのか?についてお話してきましたが、次に実際どうしたらいいのかについてお話していきますね。
まずは病院へ
おそらくこの見出しを見て

え、また病院なの?
と思われたかもしれませんが、本当に大切なことなんです。
仮に症状の心当たりが精神的ストレスだと思っても、もしかしたら命に関わる疾患のサインかもしれません。
そのため『誤診』を防ぐためにまずは心療内科以外(整形外科、脳外科、内科など)の受診をおすすめします。
そこで検査をしても異常がない+精神的ストレスに心当たりがある方は心療内科へ受診してみましょう。
病院と併行して
病院で診断を受けた後は、治療と併行して『運動』に取り組むことをお勧めします。
以前、うつ病と痛みの関係性について書いた際にもお話しましたが、運動をすることで『モノアミン』という物質の量が増加し、それが精神状態の改善+痛みの抑制に繋がります。
もちろん、運動を開始してもいいのか?という点は飲んでいる薬や体調に左右されるので、そこは医師と相談していくことが重要になると思いますが、病院以外の1つの手段として運動はとても有効なものだと考えています。
うつ病と痛みについての記事はこちら↓
おわりに
日々、施術をしている僕としても「症状が改善しないものすべてが転換性障害だ!」なんてそんな横暴なことを言うつもりはありません。
ですが、患者さんの対応をしている中で極稀に転換性障害を疑ってしまう方がいることも事実です。
ですので、1人でも多くの方がこの記事を読んで心療内科を受診するきっかけの1つになって、適切な診断・治療を受けられるようになってくれれば幸いです。
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