以前、上記の記事でお勧めセルフケア道具の一つとして【マッサージガン】を挙げましたが、最近の研究で『本当にマッサージガンは安全で効果的なツールなの?』と疑問を提唱するようなものが発表されました。
結論からお伝えすると≪使い方による≫としか言いようがありませんが、これだけだと日々マッサージガンで自分の身体のケアをされている方は不安になりますよね。
ですので、今回は他の研究や個人的な考えを交えて、より詳しくマッサージガンの是非についてお伝えしていきます!
マッサージガンの悪い報告
さて、気になるマッサージガンの最新の研究の内容は以下の通り☟
目的
現在の研究は、市販のマッサージガンが下半身の激しい運動後の身体的および知覚的回復に及ぼす影響を調査することを目的としていました。
介入
激しい運動の後、ふくらはぎの筋肉に5分間マッサージガンを適用します。
結論
マッサージガンは、激しいふくらはぎの運動の直後に5分間適用した場合、身体的測定にほとんど効果がないようです。使用後4時間までの筋肉痛のわずかな増加を考えると、激しい下半身運動の直後にマッサージガンを使用する場合は注意が必要です。
銃の下:活動的な成人の身体的および知覚的回復に対するパーカッシブマッサージ療法の効果|アスレティックトレーニングジャーナル (allenpress.com)
結果だけ見たら『筋肉痛が増加した!』とあるので、この部分だけ切り取ると
せっかく買ったけど本当は
身体に良くないものだったのね
と思ってしまいそうですが、ちょっと踏みとどまりましょう。
ここでのポイントは①激しい運動の直後②5分間の使用③筋肉痛のわずかな増加です。
使用方法とタイミングの問題?
実際にどんな感じで使ったのか論文の一部を抜粋してみました。
The focus for the first 2.5 minutes of the massage treatment was the medial gastrocnemius, while the second 2.5 minutes focussed on the lateral gastrocnemius muscle.
銃の下:活動的な成人の身体的および知覚的回復に対するパーカッシブマッサージ療法の効果|アスレティックトレーニングジャーナル (allenpress.com)
翻訳すると『ふくらはぎの筋肉の外側と内側にそれぞれ2分30秒ずつ当てた』と記載されています。
また続きに文に『滑らすように当てた』とも記載されていました。
(英語苦手なので表現が少し異なるかもしれません)
滑らすように当てることは問題ではないと思いますが、当てる時間が長すぎるのでは?と感じますね。
『激しい運動直後』はとても筋肉が疲れている状態で筋肉の損傷を伴っています。
捻挫したことのある方はイメージしやすいと思いますが、傷ついたところにガンガン刺激入れたら痛みが強くなることは容易に想像できませんか?
また『筋肉痛のわずかな増加』ですが、痛みの増加も本当に≪わずか≫です。
その程度なので運動直後に使うメリットは、もしこの情報をネットで見かけて『マッサージガンって身体に悪いんだ!』と思うのは時期尚早です。
本来なら運動直後・24時間後・48時間後という感じで、それぞれの比較をして初めて価値のある研究になると思います。
筋肉痛の予防に効果的
マッサージガンのような振動療法は筋肉痛の予防に効果的という研究もあります。
振動療法とマッサージは、DOMS(遅発性筋肉痛)の予防にも同様に効果的です。マッサージは同心円状の強さ(1 RM)の回復に効果的です。しかし、振動療法は臨床的に早期に痛みを軽減し、運動後48時間でLDHのレベルを低下させるのに効果的です。
遅発性筋肉痛(DOMS)の予防における振動療法とマッサージの効果を比較する (ichgcp.net)
このようにちゃんと痛みの軽減に役立つという発表もあるので安心してください。
効果の有無を左右する条件としては
①使用のタイミング
②使用時間
③振動数
④当てる時の強さ
⑤当て方(局所的か滑らすか)
これらがあると考えています。
結局、マッサージガンも便利な道具の1つに過ぎないので『使い方』が大切なんですよね。
使い方に関してはこちらの先生の動画が分かりやすいので参考にしてみてください☟
https://www.youtube.com/@toyotamaTFD/videos
まとめ
という事で情報の一部だけ見て『危険なんだ!』と判断しないよう気を付けましょうというお話ですね。
この記事を書こうと思った経緯としてはTwitterでこのマッサージガンに関する情報が流れてきた時に「マッサージガンって良くなかったんだ!知らなかった!」と反応している方が多かったからです。
(医療従事者でさえ)
今のご時世、情報は簡単に手に入る分、情報を精査できる能力が問われます。
何でもそうだと思いますが、一部だけを見て正しいと思わないように注意できると良いですね。
コメント