いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
当ブログを運営している石川は、静岡県藤枝市で唯一の慢性痛改善専門院の院長でもあります。
しかし、多くの方はきっとこう思うでしょう。
『慢性痛』って何?
慢性痛ないし慢性疼痛という言葉は、一般的ではないかもしれません。
そこで今回はあなたに
①慢性痛(慢性疼痛)が何を指すのか?
②どんな特徴があるのか?
③治療目的と最終目標は?
の3つに項目に分けて詳しく慢性痛について解説していきますね。
実際に今長い期間痛みを抱えて辛い思いをされている方は、是非今回の内容を参考にしていただけると嬉しいです。
慢性痛(慢性疼痛)は何を指す?
『痛み』を研究する国際疼痛学会(IASP)では慢性痛を以下のように定義しています。
疾患の治療に要すると期待される期間を超えて持続する痛み
慢性疼痛診療GL 表紙.indd (umin.jp)
国際的には明確に〇カ月以上続いたら~と記載はありませんが、一般的には3カ月続くと慢性痛であると言われていますね。
とはいえ、例えば打撲で全治2週間とされていたとして、1カ月たっても痛みが続くのであれば、それは慢性痛と言えるので痛みの持続期間にこだわる必要はないかもしれません。
特徴
痛みを長く抱えてしまうと、痛み以外の症状を伴う事が多々あります。
中でも代表的なのが『抑うつ』です。
痛みそのものが抑うつを引き起こしているのか、抑うつ自体が痛みを引き起こしているのか明確な答えは出ていませんが、関連はあると考えられています。
その他にも睡眠障害や自己価値感の低下、治療・薬物への依存などなど…
また、痛みの期間が長ければ長いほど治療に要する期間も延び、改善が難渋しやすいという特徴もあるため、痛みが出たらなるべく早期の治療が重要になります。
慢性痛の治療には期間がかかる理由
今すぐにでも痛みをなくしたい!というのは至って当然の考えですよね。
しかし、慢性痛の場合、今すぐの改善は非常に難しい上に非現実的なんです。
痛みの恐怖回避モデル(慢性疼痛診療ガイドラインより引用)
上の図は痛みが長期化する負のループと改善への道のりを示したものです。
痛みの負のループは
①何かしらが原因で痛みが発生する↓
②破局的思考※¹↓
③恐怖心・不眠・不安↓
④痛みを回避する行動※²↓
⑤廃用・機能障害・抑うつ↓
再び①へ戻る…
となっています。
反対に痛みが改善する道のりは
①痛みに対する不安や恐怖がなくなる
②楽観的に考えられるようになる
③軽快・回復
です。
図にするとステップが大きく分かれるので簡単に見えますが、痛みを長期的に抱えている方だと、痛みに対する誤った考えが強固になってしまっている為、そもそも不安や恐怖心を取り除くこと自体が難しくなっています。
また、『軽快・回復』の段階も4つに分かれていて
①痛みの改善
②可動域の改善
③筋力の改善
④機能(身体の使い方)の改善
の4つの段階を1つずつしっかりと踏んでいかないと、痛みがなくなった!良くなった!と思っても残り3つが改善していないとすぐに痛みが再発してしまうきっかけとなります。
だからこそ、痛みを早く良くするためには『焦らず・じっくり・着実に』歩みを進める必要があります。
まさしく【急がば回れ】でしょう。
治療の目的と目標
慢性疼痛治療ガイドラインでは治療目的と最終目標として、以下の4項目を挙げています。
①痛みのない状態にすることは成し遂げられないとの認識を持って疼痛管理を最適化する
②機能的能力、身体的・精神的健康を向上させる
③患者のQOL(生活の質)を向上させる
④有害転帰(副作用)を最小化する
いきなり、①を見てしまうと
あぁ、やっぱ完全には治らないんだ…
と考えがちですが、そういうことではないと個人的には考えています。
というのも、何でもかんでも完全に治せるというわけではありませんが、実際に痛みがあったことを忘れるくらい回復している患者さんもいます。
しかし『痛みを治そう!』と意識すると、それは必然的に『痛み』というネガティブな現象ばかりに目が向いてしまう事に繋がります。
それよりは『痛みをコントロールしよう』の方が痛みに対して正しく向き合える、という見方も出来るので①を文面通りそのまま受け取るよりは、『痛みとの向き合い方・関わり方』という認識で受け取る方が日本人には合ってるのかなと考えます。
第一目標は『痛みの改善』で間違いないですが、それを意識しすぎずある程度楽観的に構えるのがポイントですね。
まとめ
慢性痛が指すもの
慢性痛の特徴
治療目的と目標
病院で薬を飲んだり、リハビリしたり、整体に行っても良くならない痛みがあると不安ですよね。
でも大丈夫です。
指定難病ではない限り、あなたの痛みを良くする方法は必ずあります。
良くなる可能性を少しでも広げるためには、今回お伝えしたことをしっかりと理解しておくことも大切なので、是非何度も見返してくださいね。
コメント