少し前からSNSでよく見かけるようになった『肩甲骨剥がし』
きっと肩甲骨剥がしをすれば、肩こり・頭痛・首の痛み・五十肩などなど…これら全てが治るだろうと思っているのではありませんか?
確かに魅力的に映るかもしれませんが、あなたが後悔しないために肩甲骨剥がしの危険性を今日ここでお伝えしていきます。
過度な肩甲骨剥がしは【脱線】と同じ
肩甲骨は骨と骨がくっついているわけではなく、大部分が筋肉によって支えられています。
特に肋骨と肩甲骨はそれが顕著に表れていて、肩甲骨は肋骨の上を筋肉の収縮・弛緩によってレールの上を走る電車のようにスルスルと滑るような動きをします。
さて、ここで一つ考えてほしいのが電車が仮に脱線したら元に戻ると思いますか?
いいえ、戻りません。大事故です。
しかし、人間は大事故を起こしては困る為、肩甲骨が肋骨から浮きすぎないように筋肉をぎゅっと固めて何とか肋骨に肩甲骨を引き付けようとします。
という事は、過度に肩甲骨の内側を肋骨から引きはがすような手技を受けると、さらなる筋緊張を呼び、その場は楽になるけど、より頑固な肩こりや頭痛を引き起こすことになります。
猫背姿勢を考える
肩甲骨剥がしは猫背姿勢を改善させる目的で行われている印象があります。
(特にSNS上では)
しかし、猫背姿勢と言うのは既に肩甲骨が外転と言って正常な位置よりも外に開いてしまっている状態です。
これは肩甲骨の内側に付く筋肉が上手く働いていないことにより、起こっていると考えられるわけですが…
猫背の時点で肩甲骨がこれ以上外に行かないよう、綱引きみたいに肩甲骨の内側の筋肉が必死に踏ん張っているのにそこをガンガン肩甲骨剥がしなる手技で緩めたらどうなると思いますか?
より肩甲骨は外に逃げようとして時間経過とともにドンドン肩こりが悪化してしまいます。
(肩こりと併発して起こる頭痛なども)
あくまで過度なものが危険
さて、ここまでは肩甲骨剥がしのリスクについてお話しましたが、これらはあくまで過度なものである場合です。
例えば…
①体が浮き上がるくらい肩甲骨を持ち上げる
②肩甲骨が浮き出るまでひたすらグリグリ剥がす
このような手技は過度なものと言えるでしょう。
しかし、五十肩や肩こりの改善には肩甲骨の動きが大切なのは事実です。
なので、肩甲骨の内側だけでなく、上下・内外側全てをバランスよく調整することでリスクなく肩甲骨の可動性を出すことが可能です。
さらに言えば、なぜ肩甲骨周囲の筋肉が緊張してしまうのか?を辿ると、足の機能低下や背骨の柔軟性低下、日常生活の姿勢など色んな問題が浮き彫りになってきます。
だからこそ、短絡的な肩甲骨剥がしではなく、身体全体を見た上で適切な施術を提供できる整体院を見つけて下さい。
少なくともSNSで肩甲骨剥がしばかりごり押ししているところはお勧めしません。
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