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『悲劇のヒロイン』でいたいが為に脳が痛みを作り出しているのかもしれないというお話

【慢性痛の知識】
この記事は約6分で読めます。

もしかしてあなたは辛い痛みに悩まされていてこんなこと思っていませんか?

☑何で自分だけこんな辛いんだ!
☑元気な人が妬ましい
☑家族に迷惑をかけて嫌われているかもしれない
☑どうせもう治りやしない

☑常にイライラしてて疲れる
☑誰もこの辛さを分かってくれやしない


あかーん!
(エセ関西弁)

そうやって、自分だけの世界に閉じこもっていることこそが『痛みを作り出す原因』かもしれませんよ?

今回は批判覚悟で『悲劇のヒロイン』で居たがっているあなたの思考をカチ割っていきます。

痛みとネガティブ感情の関係性

まず前提知識として、痛みは感情によって左右される場合があるということを知ってください。

国際疼痛学会(IASP)が2020年に発表している痛みの定義では

(痛みは、)組織の実質的あるいは潜在的障害にもとづいて起こる不快な感覚・情動体験、またはそれに類似した不快な感覚・情動体験である。

とされています。

つまり、骨が変形してるとか姿勢が悪いからとか傷ついているからだけでは説明が出来ず、感情や記憶・体験によって発現・増悪・緩解するものだということです。

例えば、あなたが何か夢中になれる・集中できることに没頭している時は痛みのことを忘れていたり、痛みはあるけどそこまで強くないなんて経験ありませんか?

反対に、怒り・不安・悲しみ等ネガティブな感情で頭がいっぱいになっている時は同時に痛みが強くなっているような経験はありませんか?

きっとあるはずです。

このように、痛みと感情には切っても切れない深~い関係があるのです。
だからこそ、自分の感情の理解・把握は痛みの改善において重要度が高いんです。

常にイライラ…それホント?

『常にイライラする!』
『無性に腹が立ってしょうがない!』

もしくは

『一人でいると怖くて(寂しくて・不安で)堪らない』

そんな感情に悩まされたりしていませんか?

でも待ってください。
それムチャクチャおかしな話なんですよ。

なぜなら感情にはそれぞれ持続時間があるからです。

感情の持続時間

2014年
ベルギーにあるルーヴェン・カトリック大学のフィリップ・ヴァ―ダイン教授とサスキア・ラブリセン教授は感情の持続時間について調査をしました。

感情を27種類に分類すると、以下のような結果になりました。

①悲しみ:120時間
②憎しみ:60時間
③喜び:35時間
④絶望:24時間
⑤希望:24時間
⑥不安:24時間
⑦落胆:24時間
⑧満足感:24時間
⑨妬み:15時間
⑩安心感:8時間
⑪熱狂:6時間
⑫賞賛:5時間
⑬感謝:5時間
⑭くつろぎ:4.3時間
⑮罪悪感:3.5時間
⑯ストレス:3時間
⑰誇り:2.6時間
⑱感動:2.5時間
⑲怒り:2時間
⑳退屈:2時間
㉑驚き:2時間
㉒苛立ち:1.3時間
㉓同情:1.3時間
㉔屈辱:0.8時間
㉕恐れ:0.7時間
㉖羞恥心:0.5時間
㉗嫌悪:0.5時間


これを見てあなたはどう感じますか?

よくあるのが常にイライラしているというパターン。
怒りは2時間、似た感情の苛立ちに至っては1.3時間しか持続時間がありません。

あなたの常に感じているイライラは、何に対してのイライラですか?

この質問に対して、明確に即答できないのであれば、もしかしたらそれは自分の脳が誤認して勝手に作り出された感情かもしれません。

これはどの感情であっても同様のことが言えるでしょう。

事実と妄想を分ける

長年痛みを抱えていて、悩み続けている方は『事実』と『妄想』がごちゃごちゃになってしまう傾向にあります。

例えば
『家族に迷惑をかけていて嫌われているかもしれない』
『元気な人を見ていると妬ましくてストレスが溜まる』

といったこと。

はっきり言いますね。
それ被害妄想です。

家族にいつ『お前迷惑やわ』『お前のこと嫌いだわ』って言われましたか?
元気な人は、あなたが嫌がることを何かしましたか?
むしろ心配してくれていたんじゃないんですか?

もし、あなたが例に出したようなことを思っているのであれば、そこに事実はひとかけらも存在していません。
全てあなたが勝手にそう思って、勝手に妄想を事実だと誤認しているだけです。

一旦整理しましょ

頭の中が事実と妄想でごっちゃごちゃになっていると、思考に余白がなくなってドンドン息苦しくなっていきます。
ですので、紙とペンを用意して自分の頭の中整理していきましょう。

①今抱えている感情は?(
不安・怒り等)
②何に対してその感情を抱いている?
(家族に嫌われているかもしれない、痛みが取れないかもしれない等)

まずは、箇条書きで良いので紙に出してください。

次に
③事実と妄想を分けていきましょう

例えば、『身体が痛い!』これは事実ですよね。
でも『一生痛みは治らないかもしれない』これは妄想です。
『~かもしれない』は自分の頭でそう思っているだけで、事実ではありません。

他にも『あの人は意地悪だから嫌いだ!』これも事実です。
しかし『あの人は元気で見ていると妬ましい!』これは妄想ですね。
いわゆる被害妄想です。

こんな感じで、自分の頭で考えていることを事実と妄想に区別していきましょう。

そうすることで、よく分からないままパンパンに破裂しそうだった脳にゆとりが出来て、スッキリしていきます。

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まとめ

自分だけがかわいそう
自分ばかり辛い思いをしている
誰にもこの辛さは伝わらない


それ本当に?
もしかしたら、それらは妄想で事実ではないかもしれません。

もしかしたら、それらの感情は脳の誤認で勝手に作り出されたものかもしれません。

だから悲劇のヒロインと言っているんです。
悲劇のヒロインでいる限り、痛みは快方へと進んでいくことはありません。

自分で勝手に作っている壁を盛大に蹴破って、ぜひ自分の殻の外へ足を出してみて下さい。

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