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変形性股関節症で階段がつらい本当の理由と、知っておくべき対処の考え方

変形性股関節症
この記事は約12分で読めます。

「平地はなんとか歩けるのに、階段だけがどうしてもつらい…」

変形性股関節症の方にとって、階段の上り下りは大きな壁です。

でも、それは筋力や加齢だけの問題ではありません。

実はそこには、「股関節の前滑り」「体幹と足の連動不全」「代償動作」など、構造的・機能的な理由が隠れています。

本記事では、変形性股関節症の方が「階段がつらい」と感じるメカニズムを深掘りし、

“どう動けばダメージを減らせるのか”という視点からの対処法を解説していきます。

※関連する動作改善の実例はこちら:

👉 変形性股関節症で“また歩けた”を取り戻す具体策

  1. なぜ“階段だけ”がつらいのか?── 股関節にかかる負荷の真実
    1. 【階段では股関節への荷重が2〜3倍になる】
    2. 【変形した股関節では“滑る・詰まる・挟まる”】
    3. 【“痛み”より“使い方の問題”が先にある】
  2. 階段で強まる「股関節の前滑り」と臼蓋不安定性
    1. 【“前滑り”とは何か?】
    2. 【“臼蓋不安定性”があると力が入りにくい】
    3. 【整体の視点:滑りやすさを“構造から抑える”ことが第一歩】
  3. 太ももで登っていませんか?── 大腿四頭筋主導の落とし穴
    1. 【大腿四頭筋は“支える筋肉”ではない】
    2. 【“股関節を守る”のはお尻と体幹の連携】
    3. 【筋力不足ではなく“動作の使い方”の問題】
  4. 足首と骨盤の“連動エラー”が起きるとどうなるか?
    1. 【階段動作では“足関節背屈”が重要】
    2. 【骨盤の動きは足から始まっている】
    3. 【足元から連動を整える整体的アプローチ】
  5. 「痛みをかばう動き」が股関節を壊していくメカニズム
    1. 【かばい動作=支持バランスの崩壊】
    2. 【“守りすぎた結果”が壊す】
    3. 【整体で見直すのは「痛みをかばわず動ける体の再設計」】
  6. 正しい階段の昇降とは?── 股関節に優しい重心移動のコツ
    1. 【階段上りでの“NGパターン”】
    2. 【理想的な上り方:荷重の“軌道”を変える】
    3. 【階段下りでの“危険な動き”と改善法】
    4. 【整体で再教育できる“動作の軌道”】
  7. 痛みの根本改善に必要な“構造”と“靴”の視点
    1. 【“股関節だけ見ても治らない”理由】
    2. 【靴選びとインソールで“構造に介入”する】
    3. 【まとめ:構造と動作が一致したとき、階段はラクになる】
  8. 問い合わせ

なぜ“階段だけ”がつらいのか?── 股関節にかかる負荷の真実

変形性股関節症の方にとって、階段の上り下りは特に症状が強く出やすい場面です。

平地歩行はなんとかこなせても、「階段を上るときに股関節の前側が痛む」「下りるときにグラつく」といった訴えは臨床でも非常に多く聞かれます。

ではなぜ、“階段だけ”がつらくなるのでしょうか?


【階段では股関節への荷重が2〜3倍になる】

研究データでは、階段を上るときには体重の2.5〜3倍の力が股関節に加わるとされています。

平地歩行で1.3〜1.5倍、片脚立ちで2倍前後と言われるのに対し、階段動作では関節への圧迫力が飛躍的に増加します。

さらに、

  • 上りでは股関節屈曲(曲がり)+体幹前傾が合わさり、前方への滑り力が加わりやすく、
  • 下りでは関節の制動(ブレーキ)+片脚支持時間の延長によって、不安定性が増す

というように、関節にとって「攻めも守りも必要」な複雑な動作となります。


【変形した股関節では“滑る・詰まる・挟まる”】

変形性股関節症では、関節軟骨がすり減り、関節裂隙が狭くなった状態。

この状態で階段を使うと、以下のような負荷が生じます:

  • 臼蓋(きゅうがい:骨盤側の受け皿)の覆いが浅くなり、大腿骨頭が前に滑りやすくなる
  • 骨棘(こつきょく:トゲ状の変形)により、屈曲・内旋時に挟まり感や詰まり感が強くなる
  • 滑膜や関節包が緊張し、痛みや可動域制限が増強される

こうした構造変化があるため、階段の動作では「動かした瞬間に関節が引っかかる」ような違和感や鋭い痛みが起きるのです。


【“痛み”より“使い方の問題”が先にある】

股関節に痛みが出る=関節が壊れている、というイメージを持たれがちですが、実はその前段階に、

・誤った筋肉の使い方(代償)

・支持バランスの不安定性

・靴や足裏の感覚異常

といった“使い方のズレ”が先に存在していることが多くあります。

階段での痛みは、「構造的な問題×動作環境の不備」が組み合わさった結果であり、

この複合的な理解がなければ、いくら注射や薬を続けても改善にはつながりません。

階段で強まる「股関節の前滑り」と臼蓋不安定性

変形性股関節症の方が「階段の上り下りでズキッとくる」「股関節が抜けそうで怖い」と感じる背景には、

**“股関節の前滑り”と“臼蓋(きゅうがい)不安定性”**という現象が大きく関わっています。


【“前滑り”とは何か?】

本来、股関節は骨盤側の「臼蓋」というお椀のような構造に、大腿骨の骨頭がしっかりとハマり込むように設計されています。

ところが変形が進むと、この「ハマり」が浅くなり、股関節の前方へ骨頭がズルッと滑り出す動き(=前滑り)が生じやすくなるのです。

特に階段の上り動作では、

  • 股関節が深く曲がる
  • 骨盤が前傾する
  • 体幹が前に倒れる

この3つの動きが重なることで、前方への滑り力が最大化されます。

その結果、関節包や前方靭帯に過剰な緊張がかかり、鋭い痛みや違和感、力が入らない感覚につながるのです。


【“臼蓋不安定性”があると力が入りにくい】

臼蓋不安定性とは、骨盤側の股関節受け皿が

  • 角度的に浅い(寛骨臼形成不全)
  • 変形によって被覆が不均等になっている

状態を指します。

この状態では、関節内で大腿骨頭が安定せず、

▶ 筋肉がうまく働かない(力が入りにくい)

▶ 無意識に“かばう動き”が強くなる

▶ 結果的にさらに荷重が偏り、関節をすり減らす

という悪循環が起こりやすくなります。

特に階段動作では、体重の3倍近い力が一瞬で加わるため、安定性の欠如=恐怖や不安感、痛みとして現れるのです。


【整体の視点:滑りやすさを“構造から抑える”ことが第一歩】

この「前滑り」の背景には、以下のような構造的な不均衡があります:

  • 大腰筋や腸骨筋の短縮による前方牽引
  • 大腿四頭筋(特に直筋)の使いすぎ
  • 骨盤の前傾と足元(過回内)の連動ミス

整体ではこれらを評価し、

▶ 滑らない位置で荷重できる構造

▶ 股関節を支える体幹や骨盤の安定性

を再構築することで、階段動作における“怖さ”や“詰まり感”の改善が期待できます。

太ももで登っていませんか?── 大腿四頭筋主導の落とし穴

変形性股関節症の方が階段を上る際、「太もも(大腿四頭筋)ばかりが疲れる」「登るたびに前ももがパンパンになる」と感じている場合、“股関節を守れていない登り方”になっている可能性が高いです。

これは、一見“筋力で頑張って登っている”ように見えて、股関節に過剰なストレスをかけている危険な動作パターンでもあります。


【大腿四頭筋は“支える筋肉”ではない】

大腿四頭筋(特に大腿直筋)は、膝関節を伸ばすメインの筋肉ですが、

股関節屈曲にも関わるため、過度に使われると以下のような問題を引き起こします:

  • 股関節が前に引っ張られ、“前滑り”を助長する
  • 骨盤が前傾し、腰椎の緊張まで高まる
  • 股関節深部の安定筋(中殿筋や深層外旋筋)が働きにくくなる

その結果、股関節本来の“関節包内運動”が乱れ、圧迫・摩擦・炎症のリスクが高まるのです。


【“股関節を守る”のはお尻と体幹の連携】

階段動作において股関節を安定させるために重要なのは、以下の筋肉たちです:

  • 中殿筋(股関節を横から支える)
  • 大殿筋(股関節を後方から伸ばす)
  • 内転筋群(内側から支持)
  • 腹横筋・多裂筋などの体幹深層筋(骨盤と連動)

これらが適切に働くことで、大腿骨頭が臼蓋内で安定し、滑らずに荷重を受けられるようになります。

しかし、太ももばかりを使った動作では、これらの安定筋が“サボって”しまい、

▶ 「使えば使うほど悪化する」

▶ 「筋トレしてるのに痛みが取れない」

という状態に陥ります。


【筋力不足ではなく“動作の使い方”の問題】

「筋肉が足りないから痛い」と考える方が多いですが、

実際は「筋肉があっても使い方が間違っているから痛みが出る」ケースが非常に多いのです。

整体では、

  • 太ももではなくお尻に効かせるトレーニング
  • 階段昇降時の荷重ライン修正
  • 靴や足部からの支持改善を通して、“守れる動作パターン”への再教育を行うことができます。

足首と骨盤の“連動エラー”が起きるとどうなるか?

変形性股関節症の痛みや動作障害を抱える方の多くが見落としているのが、**「足首の硬さ」や「足裏の使い方」**です。

とくに階段の昇降では、足首と骨盤の連動性が崩れることで、股関節に過剰な負荷がかかる構造になっています。


【階段動作では“足関節背屈”が重要】

階段を上る際には、つま先を引き上げる「背屈(はいくつ)」という動きが必要です。

この背屈角度が十分に出ないとどうなるか?

  • 足裏がベタッと着かず、つま先重心になる
  • 体が前傾しすぎて、股関節に前滑り力が加わる
  • 骨盤の動きが制限され、支持脚にかかる時間が長くなる

結果として、股関節が潰れるような感覚や詰まり感を助長する動作になってしまうのです。


【骨盤の動きは足から始まっている】

「骨盤が動いていない」というと骨盤そのものに注目しがちですが、

実際には骨盤の可動は足の接地感覚・足首の可動域・床反力の受け方によって大きく左右されます。

たとえば:

  • 足裏の外側ばかりで立っている人は骨盤が後傾しやすく、股関節が詰まりやすい
  • 足の内側に落ち込む(過回内)タイプは骨盤が内旋し、股関節前面の張力が高まる
  • 踵の接地が弱い人は「後ろに乗る感覚」がなく、常に股関節に突っ込む動作になる

こうした連鎖を断ち切らないまま「階段トレーニング」や「筋トレ」を続けても、

根本の崩れがそのまま残っている限り、痛みは消えません。


【足元から連動を整える整体的アプローチ】

当院では、以下のような評価と介入を行っています:

  • 足関節の背屈・内外旋の評価と改善
  • 足底の支持拠点(第1・第5中足骨・踵)の調整
  • シューズ・インソールによる補正と重心軌道の修正
  • それに基づく骨盤・股関節の再教育

これにより、「足を置く→股関節で支える→体幹で引き上げる」という理想的な連動が再構築され、

階段動作がスムーズかつ痛みなく行えるようになります。

「痛みをかばう動き」が股関節を壊していくメカニズム

「痛みが出ないようにそっと動いている」

「右が痛いから左に体重をかけている」

――これらの**“かばい動作”がむしろ症状を進行させている**ことに気づいている方は少ないかもしれません。

変形性股関節症の方が、階段や日常動作で無意識に取っている**“守るような動き”が、結果的に構造を壊していく**ケースは非常に多いです。


【かばい動作=支持バランスの崩壊】

痛い脚を避けるようにして歩くと、体重は反対側の脚へ偏ります。

これが長期化すると、

  • 骨盤が左右非対称にねじれる
  • 体幹が片側へ常に傾く癖がつく
  • 非荷重側の股関節が過伸展・外旋位で固まる

このような「不均等な荷重パターン」が定着し、

股関節の軟骨や関節包に対して異常な局所ストレスが蓄積されるのです。


【“守りすぎた結果”が壊す】

整形外科でよく言われる「痛い時は安静に」とは、本来急性炎症期の一時的な対応です。

しかし、慢性化した股関節の痛みに対して過度に安静を保つと、

  • 関節周囲の筋力が低下し、より不安定に
  • 股関節の拘縮が進み、動き出すときに激痛
  • 恐怖回避思考が強くなり、ますます動かせなくなる

このように、“壊れる”のは炎症ではなく、使い方そのものであるケースが多いのです。


【整体で見直すのは「痛みをかばわず動ける体の再設計」】

当院では、ただ股関節をマッサージするのではなく、

以下のような介入を通して“かばわなくてよくなる身体”を再構築します:

  • 片脚立位・階段昇降動作の動作解析
  • 骨盤・体幹・足部の支持連鎖の評価
  • 支持脚への荷重ラインを“痛みの出ない位置”で再学習
  • 痛みに対する身体の過剰警戒反応(交感神経緊張)への呼吸調整

これにより、痛みを回避する動きから“痛みなく動ける軸”へと変化していくことで、

結果的に関節への負担が減り、進行の予防にもつながります。

正しい階段の昇降とは?── 股関節に優しい重心移動のコツ

「階段を登るたびにズキッと痛む」

「下りるときに足が引っかかるようで怖い」

そんな悩みを抱える方の多くが、“昇降の重心操作”を誤っているケースが多く見られます。

階段の動作は、筋力の問題ではなく、“どこに重心を置いて動いているか”がすべてと言っても過言ではありません。


【階段上りでの“NGパターン”】

まず、股関節を壊しやすい代表的な上り方は以下の通り:

  • 上半身を前に突っ込むように登る(股関節の前滑りが加速)
  • 太ももで引き上げるように力む(大腿四頭筋の過活動)
  • 後ろ足で地面を強く蹴る(股関節伸展に過負荷)

これらはすべて、荷重を「面」ではなく「点」で受けている動き方です。


【理想的な上り方:荷重の“軌道”を変える】

正しい階段の上り方は以下のような意識で行います:

  1. 足を置いた瞬間に“かかと+中足部”で地面を受ける
  2. 体幹を“斜め上に引き上げる”ような感覚で重心を移動
  3. 踏み出した脚の股関節を“後ろから支える”意識を持つ
  4. 息を吐きながら腹圧を高め、体幹を安定させてから移動

このように、“前に倒れる”のではなく“上に伸びる”動作軌道を描くことが、

股関節の詰まりや痛みを回避する鍵となります。


【階段下りでの“危険な動き”と改善法】

下り動作は、上りよりもさらに関節への制動力が求められます。

よくある誤動作として、

  • 膝だけでブレーキをかける
  • つま先で踏み出す
  • 重心を前に残したまま落ちるように下りる

このような動き方は、股関節に“衝撃+ねじれ”が同時にかかる危険な動作です。

改善のためには:

  • 踵から静かに接地する
  • 骨盤をほんの少し後ろに残すように下ろす
  • 足元を見るのではなく、2段先を見る(姿勢制御の視点)

という3点を意識することで、重心の安定と股関節の安全な荷重分散が可能になります。


【整体で再教育できる“動作の軌道”】

当院では、階段昇降に特化した評価として:

  • 3段昇降テスト(股関節の支持筋評価)
  • 重心線のブレ測定(インボディ+動画解析)
  • 靴とインソールによる着地補正

などを活用し、階段で痛まない体の使い方そのものを再設計していきます。

階段がつらいのは「年齢のせい」ではなく、“軌道がズレている”だけかもしれません。

痛みの根本改善に必要な“構造”と“靴”の視点

階段の上り下りがつらい状態を一時的に和らげることは、痛み止めや筋トレでも可能です。

しかし、「繰り返す」「ぶり返す」「だんだん悪化する」といったケースでは、

**“構造そのものが壊れやすい状態になっている”**ことを疑うべきです。

そしてその構造とは、**股関節だけにとどまらず、骨盤・足元・体幹との連動を含めた「全体設計」**を意味します。


【“股関節だけ見ても治らない”理由】

股関節は、いわば全身の「受け皿」。

しかしその動きを決めているのは以下の構造たちです:

  • 骨盤の前後傾・左右差・ねじれ
  • 足部アーチの崩れ・踵の傾き・足趾の使い方
  • 体幹深層筋群(インナーユニット)の働き
  • 呼吸様式や重心軌道

つまり、股関節の痛みは“最終地点の結果”であり、真因はもっと上流(姿勢・足元・動作パターン)にあるのです。


【靴選びとインソールで“構造に介入”する】

意外にも多くの人が見落としているのが「靴の影響」です。

合わない靴を履いていると:

  • 踵の内外傾で骨盤の角度が変わる
  • 足趾が使えず股関節屈曲筋が常に過緊張
  • 足裏センサー(メカノレセプター)が鈍り、姿勢制御が不安定

こうした問題が連鎖し、股関節の滑り・圧迫・緊張が生まれやすくなります。

当院では、以下のような介入を行いながら「履くだけで構造を守る」環境づくりをサポートしています:

  • 靴の種類と硬さ・重さ・底形状の選定
  • インソールによる踵角度と荷重ラインの最適化
  • 靴ひもの締め方や着脱動作の指導

これらを組み合わせることで、施術で整えた体を“再び崩さない仕組み”として足元に反映できます。


【まとめ:構造と動作が一致したとき、階段はラクになる】

階段のつらさを克服するには、

▶ その場しのぎの対処ではなく

▶ 構造から“痛みの出ない動き方”を作り直すこと

が必要です。

足元から構造を支え、動作パターンを再教育することで、

「階段を避ける生活」から「また登れる未来」へと一歩踏み出せるはずです。

問い合わせ

変形性股関節症で階段の上り下りがつらい――

それは年齢や筋力低下のせいだけではありません。

関節の前滑り・骨盤と足の連動不全・“かばう動作”の定着といった、

“構造と動作のズレ”が重なることで、痛みが生まれているケースが非常に多いのです。

当院では、

  • 股関節だけでなく骨盤・体幹・足元を含めた全体構造の再評価
  • 靴やインソールを活用した**“再発させない”ための設計支援**
  • 日常動作を整える**“使い方”の再教育**

これらを組み合わせ、

「歩く・登る・しゃがむ」がもう一度できる身体を作るお手伝いをしています。

もしあなたが「このまま悪化していったらどうしよう」と不安を感じているなら、

まずは今の体の状態を専門家に見てもらうことが回復への第一歩です。

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