こんにちは!藤枝市にある慢性痛改善専門院 整体院導の石川です。
前回は『片頭痛』について詳しくお話ししましたが・・・☟
今回は首・肩こりからくる頭痛『緊張型頭痛』に焦点を当てて、緊張型頭痛の特徴・原因・対処法についてお話していこうと思います。
緊張型頭痛ってなに?
いや、そもそも『緊張型頭痛』って何よ?
と言う方がほとんどかと思いますので、原因の解説の前にまずは【どのようなものを緊張型頭痛と呼ぶのか】お話しますね。
国際頭痛学会では、緊張型頭痛とは
『軽度から中等度の頭痛で日常生活に支障は少ない。頭部を圧迫されるような、締め付けられるような頭痛で両側性に生じることが多い。体位変換、運動など日常生活動作による増悪は少なく、悪心・嘔吐、羞明、音過敏などを伴うことも少ない。器質的な病変による頭痛を臨床的に除外できること』
としています。
これを簡単に言い換えると・・・
- 日常生活を送ることが困難になることは稀
- 多くは頭の両側に痛みが出る
- 寝返りなど日常の動きによって悪化することは少ない
- 頭痛以外の症状が共に現れることは少ない
- 何か悪い病気になっているわけではない
といったところでしょうか。
命の危険のない緊張型頭痛ですが、月に何回も、人によってはほぼ毎日起こるような頭痛があると、それだけで日々憂鬱な気分になるため、その方の生活の質を大きく下げるやっかいな症状だと考えています。
さらに単に緊張型頭痛といってもその発生機序は3つに分けられます。
筋収縮性頭痛
こちらの記事でお話する緊張型頭痛は、この『筋収縮性頭痛』のことですね。
このタイプの頭痛は
- 悩みは頭痛がメインで随伴症状は少ない
- 後頭部の鈍痛・凝ってる、張っているような感じ・圧迫される感じがある
- 頭痛が起こると首の後ろの緊張が明らか
といった特徴があります。
心因性頭痛
他二つに比べると頭痛の程度は強いことが多く、必ず頭痛以外の症状(随伴症状)が伴います。
しかし、ひどい頭痛なのに普段はそこまで気にすることなく生活できてしまいます。
ただ、厄介なのが頭痛が治まった途端、不眠・めまい・手足のしびれ等の他の症状が悩みの中心になり、今度はそれに振り回されるようになるため、『治されては困る頭痛』と言えます。
頭痛と同時に訴える別の症状としては・・・
- うつ状態
- 摂食障害
- 睡眠障害
- 不安・イライラ
- 自殺企図・自称行為
などが挙げられ、このタイプの頭痛は治りにくい厄介なものです。
うつ病に伴うもの(仮面うつ病)
うつ病が基盤として引き起こされる頭痛の症状は、痛みの強さよりも頭が重い感じが特徴的です。
ですので、頭が痛くて夜に目が覚めるとか痛みが辛くて耐えられないといったことは少ないですね。
また筋収縮性頭痛と違って随伴症状も多く、手のしびれ・不眠・耳鳴りなどなど5つ以上の症状がポンポン出てきます。
このタイプの頭痛が起こる方には
- 中高年に多い
- 頭痛が起こる前にきっかけになるエピソードがある
- 痛みよりもピリピリする感じや重い感じ、締め付けられる感じがある。
- おでこ辺りを中心に頭全体に症状が起こることが多い
といった特徴があります。
心因性やうつ病を伴う頭痛の特徴に当てはまる方の場合は、整体で姿勢改善や固まった筋肉をほぐすだけでなく、精神科に通院することが症状を改善させる一番の近道でしょう。
原因は?
緊張型頭痛を起こす原因として現段階で考えられているものは、6つあるのでそれぞれ解説していきます。
①首が細い
頭の重さは体重の約10%と言われています。
50㌔なら5㌔、60㌔なら6㌔の重さが常に首に加わっているという事です。
この重さを支えるためには、ある程度首が太い方が望ましいのですが、頭痛に悩む方の多くが頭に対して首が細いため、頭を支えられず筋肉が過剰に収縮して痛みを誘発します。
②首の骨(頸椎)の問題
当然、頭の下にある頸椎が不安定だとその周囲の筋肉に負担がかかるので、これもまた頭痛の原因になります。
一般的にイメージしやすいのは『ストレートネック』かと思います。
普段からデスクワークで長時間うつむくような姿勢が多かったり、寝る時に高すぎる枕を使用していると、首を支える機能が低下してしまいます。
ストレートネックと肩こりの関係についてはこちら☟
③低血圧・貧血
まず低血圧の場合、低血圧の方がうつむくような姿勢を取ると、ただでさえ血管のポンプが弱いのに筋肉が固くなるので、より血液の流れが悪くなり頭痛に。
また貧血の場合、酸素を運んでくれる赤血球が少ないので、組織が酸素不足に陥ってこれもまた頭痛に。
しかし『自分は低血圧・貧血だ!』と自己判断せず、しっかりと病院で血液検査を受けてからお医者さんのアドバイスの下、食事改善を行うのが安心ですね。
④ストレス
ストレスが原因と言っても、そのものがすぐさま頭痛を引き起こすわけではありませんが・・・。
研究で筋電図や血流を測定しながらストレスを加えると、筋肉の収縮には全く変化は見られなかったのが、血流量では時として50%も低下することが分かっています。
そのため何か他のことが原因で首や肩・頭の筋肉が持続的に緊張している時に強いストレスが加わると、酸素不足状態に陥り、痛みを発生させる物質が出てきて頭痛が始まることになります。
とは言え、ストレスに強い性格に変えるのはかなり難しいので、溜まったストレスを発散させる(運動をする、趣味に没頭する)自分に合った方法を模索することが頭痛改善につながるかと。
⑤うつむき姿勢
普段無意識に下を向く姿勢を取り続けていませんか?
本を読む、スマホをいじる、一日中低いデスクに向かってパソコン作業をするなど・・・。
そのような状態を続けていると、首の後ろの筋肉の血流量は下がりっぱなしになってしまいます。
30分ごとに伸びをしたり、首を回したりして筋肉を動かしてあげると約20~30秒ほどで血流が増加するので、是非実践してみましょう。
⑥枕が合っていない
首・肩こりや頭痛に悩む方で『枕が合ってないんじゃ?』と考える方もいるかと思います。
まさしくその通りで、例えば高すぎる枕を使用していると首の後ろの筋肉の緊張が高まることが分かっています。
かといって自分に合う枕を何個も買い替えながら探すのはお金も時間もかかりますよね。
そこでお勧めは、自宅にあるバスタオルを2∼3回折りたたんだもので代用する方法です。
これであればお金もかからず、今日からすぐに取り組めるものなので是非試してみましょう。
寝具と寝起きの肩こり・首こりの関係はこちら☟
緊張型頭痛3つの対処法
姿勢を正す
頭痛は普段の『うつむき姿勢』が原因になっている可能性があります。
実際、少し姿勢を意識するだけで緊張型頭痛が軽減することは多くあります。
例えばデスクワークの方であれば、椅子の高さやデスクの高さを調整して下を向きすぎないようにするなどの工夫が必要になります。
デスクワーク中の正しい姿勢はこちら☟
しかし、家事の場合はキッチンを高くすることは出来ないためなかなか難しいですよね。
ですので、そのような方の場合は頭痛が出てきそうな感じがしたら、すぐに上を向いてその状態を3~5分維持しましょう。
それだけで首の後ろの筋肉の緊張は下がるので、これも効果的な対処法の一つです。
首のトレーニング
姿勢を正すことは非常に大切ですが、無意識の中で行われるものということ・そもそも支える筋力がないと姿勢を正すことは出来ないため、誰でも簡単にできるものではありません。
そのため即効性はありませんが、長期的に考えると同時に首を支える前と後ろの筋肉をそれぞれ鍛えていくことがとても重要になります。
『首の後ろ(後頭下筋)トレーニング』
『首の前(椎前筋)トレーニング』
これらのトレーニングを一日ほんの1分だけでもいいので継続していくことが頭痛改善の近道になります!
低血圧・貧血の治療
低血圧の人が下を向く姿勢を取ると、もともと血管の圧が低いので筋肉が固くなりさらに血液の流れが悪くなります。
貧血の場合、酸素を組織に運搬することが苦手な為、血流が正常でも酸素不足になり頭痛を引き起こしやすくなります。
これらの改善には、規則正しい生活・運動習慣・食事の見直しなどが基本になりますが、整体で血圧や貧血を治すことは出来ないので、まずは循環器内科に通院して専門医に診察してもらうことをお勧めします。
そこで伝えてもらったことをしっかりと行って改善させていきましょう。
まとめ
緊張型頭痛は肩こりや首こりと一緒に起こりやすい頭痛です。
それを改善させるためには、普段の姿勢や地道に体操を行っていくことが大切になります。
しかし、中には命の危険がある頭痛もあるため、まずは頭痛外来に通院して本当に異常がないか検査してもらいましょう。
その上で異常がなければ、これまでお伝えした内容を実践したり、整体で身体を調整してもらうことで十分改善が見込めるでしょう。
命の危険がある頭痛の見分け方はこちら☟
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